投資家が「お金」よりも大切にしていること

ひふみ投信の投資家、藤野英人氏の著書。

投資についてのノウハウ本ではなく、長年投資家として
お金と深く関わってきた著者による
「お金」の哲学や思想について説いた本です。

「お金には、その人の考えや態度が100%反映される」とし
日本人のお金への価値観を鋭く指摘しながら
これからの「お金」への考え方、価値観を提案しています。

「お金」が大好き!でも何も考えず、人を信じない日本人

著者は日本人の「お金」についての傾向として
下記のことを挙げています。

  • お金「そのもの」が大好き。自分のお金のことしか考えておらず
    現金や預金として守ることしか考えていない。
  • 諸外国と比べると、ほとんど寄付をしない。
  • お金について「なにも考えていない」。
    とりあえず貯金、とにかく節約。
  • 自分と自分のお金は信じているが、他人のことは信じていない。
  • 事業を失敗した経営者に対して「悪どい奴め、ざまあみろ!」と攻撃し
    ニートやフリーターの人間に対して「貧困は自己責任だ」と非難する。
  • 民間人である自分が、自らのお金を投じて社会貢献をしようとは思わない。
  • 安定を保証されないと、力が発揮できないメンタリティ。

経済の本質とは何か?

経済とは「互恵関係」であり「自他不二」です。

経済とは「共同体のあり方」であり
どのように生きたらみんなが幸せになれるかを
考えるのが、経済学の本質です。
「自他不二」「互恵関係」における世界観とは、

  • 他人や社会を信じる
  • 自分が主体的にエネルギーを投入することによって、明るい未来をつくる。
  • 未来が明るくなることで自分の人生も明るくなる

という流れがある世界のことです。


わたしたちが「お金」を通してできること

社会貢献とは、新しい何かを作り出すころだけではなく
消費することによっても成し遂げられます。
わたしたちの消費活動は
必ず誰かの生産活動につながっています。

わたしたちが、

  • お金を通してみんなの幸せを考えること。
  • お金の使い方に自覚的になること。

を心がけることで、社会が変わっていくのです。

160724


よく「日本人はお金を欲しがりながらも憎悪する
ダブルバインド状態になっている」と言われますが
こちらの著書を読んでいて、その根っこにあるのは
「経済の世界観」なんだなと感じました。

本著に出てきた”日本人あるある”のうち
「とりあえず貯金」「何となく節約」
「自分のお金を守ることばかり」…
身に覚えがありすぎて、グサグサ刺さりました。

自分の消費活動も、巡り巡って世界の経済に繋がっていく
という自覚を持つことができたので
今後はお金の使い方がグッと変わりそうです。