「本を読む人だけが手にするもの」

人生を切り開くための読書

リクルートの東京営業統括部長、メディアファクトリーの設立、
東京都で民間校長を務めるなど、ビジネスと教育の両方を経験した、
藤原和博さんの著書。

読書推奨書物によくある
「文章力が鍛えられる」「脳が活発に動く」などの論理ではなく、
自分自身の幸福論を編集し、
自分オリジナルの幸福論を持たなければならない時代」
において、
読書は欠かせない重要な
要素である、という内容です。


読書で身につく「生きる力」

藤田氏によると、読書によって得られるものは
特に下記のものがあげられるとのこと。

  • 世界観を広げ、人生で「自分がやりたいこと」を実現させるために必要な「バランス力」をつける。
  • 複眼思考(クリティカル・シンキング)を磨く。
  • 文字のシャワーを浴び続けることで、自分の中から言葉があふれ出すようになる。

「成長社会」から「成熟社会」へ

過去の20世紀は「成長社会」であり、「みんな一緒」の感覚が強い時代でした。
また「情報処理力」が尊ばれ、「正解を当てる力」が必要とされてきました。

ですが21世紀は「成熟社会」であり、
「正解が存在しない」社会であり、
「それぞれ一人」の感覚が強い社会です。

そのため、この時代は情報編集力が必要とされ
「納得解」を作り出す力が問われます。


情報編集力を磨くために

情報編集力を高めるために必要なのは
下記の5つのリテラシーです。

  • コミニュケーションする力=「人の話をよく聞く技術」
  • ロジックする力=「人の論理を理解する技術」
  • シミュレーションする力=「予測しながら行動する技術」
  • ロールプレイングする力=「人の思考や気持ちを追体験する技術」
  • プレゼンテーションする力=「相手が理解できるように自分を表現する技術」

これらは読書によって磨かれ、身に付けることができます。


道を探すための読書

本書を始め、あらゆる書籍で言われているように、
現代は「みんな同じ道を歩けば幸せになれた」時代から、
「一人一人が道を探さねばならない」という過酷な時代への
大きな転換期で、何かと迷いが多いですが、
コツコツと読書+書評を続けることで、
徐々に解答が見つかりつつあるように感じます。

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読書がますます好きになれる、内容の深い本でした。
同著者の「坂の上の坂」も気になります!