「天才!成功する人々の法則」マルコム・グラッドウェル

数々の世界的ベストセラーを生んでいる
マルコム・グラッドウェル著書
「天才!成功する人々の法則」

時代を作ってきた歴史上の「天才」たちを
独自の視点から分析しています。

それに合わせて、わたしたち人間の生き方に
影響を与えている歴史的、文化的、民族的な
「見えない力」を考察しています。


「天才」とは才能、努力で決まる?

ビル・ゲイツ
スティーブ・ジョブズ
ジョー・フロム…

このような偉人たちを
「天賦の才能に恵まれた人」
「努力の人」と判断しがちですが
もう一つ重要な要素があると
著者は指摘しています。

著者はそれを「文化的遺産」と呼びます。

私たちには、生まれついた能力や努力以外にも
目に見えない「文化的遺産」の力が働いています。

著者はそれを知ることで、自分がどれだけ好機を得てきて
どのような「法則」が内側に潜んでいるのかに
気づくことができると説きます。

「天才」になるためには
実は、生まれるタイミングが非常に重要です。

生年月日を調べ上げた結果、天才たちはある一定の時代に
“集中的”に生まれていることが分かりました。

彼らは「長年、ある技術に磨きをかけていたら
それが、とてつもなく重要になった時代に生まれた」と
いえるのです。


「10,000時間」を費やせるか

技術に超人的な磨きをかけるためには
「10,000万時間以上」という
とてつもない時間が必要です。

彼らは、たまたまその「10,000時間」を
経済的、文化的に享受できる環境にありました。

そこにたゆまぬ忍耐と努力を注いで
技術を磨き、圧倒的なスキルをもって
偉人となっていったのです。

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自分を優位に立たせる力「文化的優位点」

また、そのような恵まれた環境であっても
必要になってくるものがあります。

それは「文化的な優位点」です。

「文化的な優位点」とは「権利意識」です。
自分の考えを伝え、交渉する力であり、
「物事の進め方」ともいいます。

それは、ユダヤ移民の教訓にある
「一生懸命働いて、自分の意見を主張し
頭脳と想像力を働かせれば
世界を望み通りにかたちづくることができる」
というものです。


受け継がれる「民族的法則」

大韓航空、コロンビア航空では
航空機の着陸事故が多発しました。

事故を起こしたのは、熟練の技術を持った
優秀なパイロット達でしたが、
操縦技術とは別の発生要因が判明しました。

それが「民族的法則」です。

人間は各自の異なる「パーソナリティ」を持っていますが
その個性の中には、それぞれの地域社会の歴史によって
受け継がれた、極めて独特な行動様式が
積み重ねられています。

それを「民族的法則」と呼びます。

異文化間心理学「ホフステッドの次元」による
「権力格差指標」(その文化が権威を重んじ、権威に敬意を示すかどうか)を
あらわした指標によると、権力格差が大きい国ほど
上司に異議を唱えるのをためらう傾向が強いとのこと。

大韓航空、コロンビア航空において
度重なる着陸事故を引き起こしたしたのは
「副操縦士が機長の判断に、異議を唱えられない」という
「民族的法則」だったのです。

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実際に起きている現象を見ただけでは
なかなか結びつかない内容が多く、
マルコム氏の考察の深さと
発送のユニークさを感じる本でした。

著者の他の本も、是非読んでみようと思います。