楽しみながら社会問題を解決する仕組みを。トークライブ「これからの働き方 静岡編」開催!

楽しみながら社会問題を解決する仕組みを。トークライブ「これからの働き方 静岡編」開催!

先日、静岡市のコワーキングスペース「コロニー」で開催された「新結合 静岡」主催イベント「これからの働き方 静岡編」に参加してきました。

こちらのイベントは、現在大きく変化している”働き方”をメインのテーマとして、地方都市・静岡での働き方を登壇者、参加者で改めて考えるためのイベントです。

前半は、フリーランスのディレクターであり「自由大学」の学長を3年勤められた岡島悦代さんと、キャリアコンサルタントの桑原祐介さん(ワークイズ代表)のトークライブでした。
戸塚礼雄さんのファシリテーションで、外から見た”静岡”の像や特徴、また地方都市である静岡で働くにあたって、どんなアプローチをしていけば、豊かに人生を送ることができるのか?という深い視点に渡り、トークが展開されました。

静岡の人ってどんな印象?外から眺めた静岡人

岡島さんは沼津市出身。東京のような大都市や、ポートランドのような先進都市と比べた静岡の特徴について、様々な視点でお話してくださいました。

静岡は、非常に恵み豊かで、暮らしやすい面がある一方、沼津でカフェを経営されていた当時の体験からは「受け身な人が多い」「自ら問題提起をする人は少ない」など、鋭い指摘もありました。

桑原さんは、長年静岡で多くの人のキャリアコンサルタントをしてきた経験では、職場での人間関係で悩む人が多いと言います。
自身がフリーランスへの転向で大きく人生が変わった経験から、会社員だけでなく、フリーランスなど色々な働き方があることをアドバイスしているそうです。

会社を離れることのリスクばかり見えるけれど、冷静に考えると「本当に会社員は安全なのか?」「今はいいけれど、50代60代になってからはどうか?」と言う視点で考えると、違う側面が見えてくるはず、と助言します。

「問題化して解決」ではなく「楽しむことでいつの間にか解決」を

ポートランドに詳しい岡島さんによると、ポートランドの人たちは、「自分たちで解決する」という“当事者意識”が非常に高い印象を受けると言います。

地域の問題を「解決する」というよりは、自分のライフスタイルを楽しくする取り組みを、地域の当事者として考え実践することで、求心力が生まれ、今のような魅力的な都市が実現しているとのこと。

岡島さんは、静岡を含む地方で起きている多くの問題は、「問題として取り上げられ、解決する」という流れができていると指摘します。
ですが、解決すべき「問題」にしてしまうと、苦しんで解決するという方向へ向かう傾向が強く、そのような思考のクセが国内には蔓延しています。

これに対し、「楽しんでいる人の周りには、自然と人が集まってくる」という好奇心の求心力を利用し、まず住民たちが心から地方の生活を楽しむこと、そしてその楽しみを、ライフスタイルの中に取り込むアイデアの方が、みんな幸せになれるのではないか、と提案されました。

「静岡に来て!」と言う前に…

岡島さんが提案していた「問題を楽しんで解決する」と言う方法は、最近あちこちで耳にします。

例えば、食品ロスの問題を「みんなで賞味期限が切れた食品を持ち寄って、鍋パーティーをする。」と言う方法で解決したり。
例えば、ジュエリー採掘の児童労働、貧困問題を「美しいルートで造られたジュエリーを、美しく身にまとう」と言うビジネスモデルで解決したり。

私たちにとって「問題」とは、常に労苦と時間とお金をかけて解決する対象として存在します。
ですが「問題」を「問題」とせず、みんなが楽しめる方法、仕組みを作り出すことによって解決する方が、ずっと簡単でみんなが幸せになれると感じます。

私も静岡に在住する身として、昨今の人口流出や過疎化の情報はたくさん耳にします。
ですが、私は「静岡はこんなにいいところだから、静岡に来て!」という形で発信したり、呼びかけたりする取り組みをしようとは、あまり思っていません。

それよりも、自分が静岡に住みながら、働くことや人間関係、人生を心から楽しんでいる“等身大”のリアルな姿を発信する方が、大きな求心力があると感じるからです。

現在は「働き方」「キャリア形成」が大きく変化している、激動の時代です。
このような新しい時代には、今までの人生のロールモデルが通用しないことを、多くの人たちが肌で感じています。
そして、身近に「働き方」やキャリアのモデルとなってくれる人もおらず、未就業の若い人たちはもちろん、会社員の人たちまでも混乱し、彷徨っている印象を受けます。

そんな中で、まずは自分が色々な働き方、仕事、動き方を試してみて、その実践結果をSNSやブログを通じて発信し続けることが、迷う人たちの大きなサポートになると信じています。

今の時代の選択肢の一つとして、静岡にいて何ができるのか?静岡で何をするのか?を常に考え、これからも実践していきたいと思います。