これからの"価値主義"時代は「個人」で生きる!「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」

これからの”価値主義”時代は「個人」で生きる!「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」

佐藤航陽さんの著書「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」(幻冬舎・NewsPicks Book)を読了しました!

すでにベストセラーとして各方面で取り上げられている良書ですが、これはフリーランスの方、あるいは個人でのビジネスをやられる方には、絶対おすすめしたい!と感じた1冊だったので、私のブログでもご紹介します。

特に、フリーランスや個人事業主のように「個人」で生きていくために役立つポイントを、本著よりピックアップしてご紹介します。


経済の形は大きく変わる!どう変わる?

こちらの本は、バリバリ経済書のイメージが強い表紙とは裏腹に、経済の仕組みや歴史、仮想通貨等を解説したものではありません。

資本主義が限界を迎え、新しい経済の形が確立されようとしている今

  • お金の価値はどう変わるのか?
  • お金を動かす経済の形はどう変化するのか?
  • その中で、私たちはどうやって生きていくべきか?

が、とても分かりやすく書かれた内容となっています。

私も昨年独立して「個人」で働いているのですが、「個人」という立場でどのように「企業」と同等の力を得ていくのか、今後力を入れるべき活動は何かということは、非常に大きな課題となっています。
その課題解決にあたり、本著はとても参考になる1冊でした。

同じように悩まれている方は、ぜひ読んでみてください!


中央集権化から分散化へ

今の時代、私たちはインターネットを通じて、あらゆる情報を得ることができます。

かつて、情報はHUB(仲介)を通してしか得ることができませんでした。
そして、そのHUBは中央集権化されていて、そこにお金や権力が存在していました。

HUBに繋がれない個人には、情報が回ってくることもありませんでした。

ですが今、私たちはそのHUBを介さなくても、必要な情報を得ることができます。
そのため、「仲介」の枠割には、価値が発生しにくくなりました。

そして、かつては末端であった「個人」に、お金や権力が移行し始めています。

私たちの周囲を見てみると、次々と誕生した「インフルエンサー」と呼ばれる「個人」たちが、大きな力を持ち、彼らの動向によって大きなお金が動いています。
HUB(仲介)が力を失ったことで、個人がエンパワーメントされているのです。

そして、大きな力を持っていたお金もまた価値が下がり、全く違うものが「価値」として認識されるようになりました。


お金だけが価値を媒介する「独占時代」の終わり

今までは、お金だけが私たちの「価値」を媒介していました。

著書では、価値は下記の3つに分けて定義されています。

  • 有用性としての価値
  • 内面的な価値
  • 社会的な価値(社会全体を持続性)

有用性の価値とは、実際に役にたつか?という実用的なメリットのことです。
儲かる、使える、利用できるなど、リターンが期待されること。

内面的な価値とは、愛情、共感、興奮、好意、信頼など、人の内側の感情にポジティブな効果をもたらしてくれるものです。

社会的な価値とは、社会全体の持続性を高める価値のことです。
慈善活動やNPO活動のようなものを指します。

資本主義はこの内の有用性だけを優先させ、内面的な価値、社会的な価値を無視してました。
これが「資本主義」の限界であると、筆者は綴っています。

今はこのお金以外でも、世界のどれだけの人に注目され、興味や関心を持たれているか?ということが、大きな価値となっています。

Twitterや instagram、facebook、youtubeなどのフォロー数が多い人は大きな影響力を持ち、多くのファンを抱え得ています。
それによって、愛情や共感、信頼などの内面的な価値、社会的な価値を得ています。

また、このような内面的な価値、社会的な価値が、実際に株式として自由に取引できるValuのようなサービスもスタートしています。

長く続いてきた、お金だけが価値を媒介し、有用性ばかりが評価される時代が終わり、内面的な価値、社会的な価値を価値として変換できる時代がやってきたのです。


 熱中するほど利益を得る時代

また、内面的な価値が経済を動かすようになると、自分が好きなことに熱中する人ほど、利益を得ることができるようになります。

今はSNSを通じて「好きなことへの情熱」の熱量が、多くの人に伝染しやすくなりました。
何かを圧倒的な熱量でやり続ける様子が、飛び火のように伝わることで、多くの人たちが「すごい!」「こうなりたい!」「やってみたい!」という影響を受けます。

これは「企業」ではなく、自分たちと同じ「個人」だからこそ、親近感や驚きがあり、より内面的な価値を私たちに与えてくれます。

このように、自分の「好きなこと」「熱中すること」への情熱で、仕事、生活、人生の目標を他者に与えられることができる「個人」が、今後は経済を動かす人たちとなります。


個人が企業と同等になるためには「資産」を築こう!

ですが今後活増えるであろう「個人」と「企業」には、まだ圧倒的な差があります。
それは「資産」の差です。

「収入」なら、私たちフリーランスは企業と同じように仕事を得て、稼ぐことができます。
ですが「資産(専門性、信用力)」に関しては、圧倒的に企業よりも劣っています。

これについては、私もフリーランスに転向してから実感しています。

会社員なら「会社」が長年積み上げてきた物を、会社の構成メンバーとして借りることができます。
そして会社の信用度や専門性によって、仕事を得ることができます。

ですが独立後は、このような「資産」を1から自分自身で築かなければなりません。
特に駆け出しの頃は、まだまだ実績も少なく信用度も低いので、まず目の前の仕事で、確実に積み上げていく必要があります。

このように「個人」である私たちは、日々の収入を稼ぎつつ、日々の活動によって「資産」を築いていくことが必要です。


本著を読み、これからの時代に個人で生きるためのポイントを知ることができました。

私は経済関連の書籍が本当〜に苦手なのですが、この本は非常にわかりやすく、一気に読み終えてしまいました!

読めば読むほど、今の時代は大きな“パラダイムシフト”が起きていることを実感します。
この大きな変化に対応しなければ、個人事業主、会社員のような働き方は関係なく、経済的に生きていくことが難しくなると感じます。

価値主義の新しい時代を生きるため、私も本書にある「価値」と「資産」を形成することに注力していこうと思います。