「シャドウ・エフェクト」

ディーパック・チョプラ、デビー・フォード、マリアン・ウィリアムソン著書
「シャドウ・エフェクト」

心理学の「シャドウ」「投影」について
3人の心理学専門家が解説している本です。


「シャドウ」「投影」とは?

人は、自分が見たくない暗い「影の部分」に光を当てたら
恥ずかしいものやとんでもないものが
見つかってしまうのではないか?と恐れ
自らの影の部分から目を背けます。

この影の部分を「シャドウ」と呼びます。

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自分が「いやだ!」と思う「シャドウ」を
自分自身の中に認めるのではなく、
自分以外の誰かに押し付けてしまうことを
「投影」と呼びます。

人は母親や子供、友人に投影することもあれば、
一度も会ったことのない有名人に投影することもあります。


人は何故「投影」をするのか?

人は、自分の内面と向き合うのを
避けるために「投影」をしてしまいます。

つまり「投影」とは
「わたしは今、自分が感じている気持ちを認めることができない。
だから、あなた(他者)がそう感じているのだということにする。」
という考えからから生まれます。

根底にあるのは
「わたしは大丈夫だが、あなたは大丈夫ではない」
という間違った自己受容です。


「シャドウ」「投影」に有効なのは”気づき”

大切なのは、これは無意識による
防御反応であることに気がつくことです。

シャドウとは、「解決すべき問題」
「征服すべき敵」ではありません。

また、「投影」は、自分の無意識(内面)に
気づかせてくれる、トレーナーでもあるのです。

わたしたちは投影を無意識にしています。
無意識とは、一定の形を持たない海のようなものです。
そこは衝動、欲動、秘密、タブーが
すべて混ざり合った、暗い海です。

しかし、わたしたちはその無意識の海から
その要素を一つ一つ取り出し
意味を解明することができます。

投影も、その一つなのです。

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シャドウだけでなく、「光のシャドウ(影)」もある

わたしたちは自分の見たくない「影の部分」だけでなく、
前向きで輝く「光の部分」も隠そうとします。

それは、社会の中ではよく
「自慢話は人から嫌われる」「出る杭は打たれる」
と言われるためです。

もし「真似したい」「見習いたい」など、
自分以外の誰かの性質に魅力を感じた場合
その質は間違いなく自分の中にも存在しています。

自分の中にはない性質に関して
あなたが他者に反応を示すことはないからです。


「沈黙」こそ最強の手段

このような自分の心から湧いてくる
感情や声に耳を傾けるのは、
内政的な沈黙思考でしか成し得ません。

自分の生活ペースを緩め、沈黙して考えることができる
「静けさ」を生み出さなくてはなりません。

沈黙を身につけるほど、わたしたちは
影の部分を簡単に変えられるようになります。


感想

先月、講座で心理学の「投影」を学んで
もっと詳しく知りたいと思い、読んでみました。

講座でワークを実践したところ、
自分の投影していたものが、出るわ出るわ…。

  • すぐ怒る人
  • 怠ける人
  • ネガティブなことばかり言う人

…などなど、全部あげていくと
自分が「見たくない自分の影の部分」を
人に投影して、イライラしたり、嫌悪していることを
強く実感しました。

どれだけ嫌って見ないふりをしても、自分の中にも

  • すぐ怒る自分
  • 怠ける自分
  • ネガティブなことを言う自分

が、確実にいるんですよね。
いるからこそ、そういう人を見つけると反応する。

その反応に気づくことで、自分の無意識に何が潜むのか
知ることができる、という仕組みなのです。

人の心理って、つくづく面白いと思います。

本著では、シャドウや投影は「最高の贈り物」であり、
「耕すべき肥沃な大地」であると書かれていますが
まさに自分を知るための大切なメッセージです。

投影に気がついたらメモするなどして、
自分の内側を少しずつ
掘り下げていきたいと思います。