「損する」「失敗する」恐怖に負けるな!フリーランスを狙う"勧誘"に注意

「損する」「失敗する」恐怖に負けるな!フリーランスを狙う”勧誘”に注意

Twitterで、「ネットワークビジネス」の話題を見かけました。

ネットワークビシネスは、いわゆる”連鎖販売取引”の総称です。
皆さんも実際に勧誘に遭ったり、ファミレスなどで勧誘現場を目撃されたことがある方も多いのではないでしょうか。

かくいう私も、副業スタート〜独立初期まで、この「ネットワークビジネス勧誘」に遭いました。

まず初めは

  • 「お仕事の話を聞きたい」
  • 「ビジネスの話をしたい」

などなど、フリーランスが弱い「仕事になるかも!?」という匂いを漂わせる言葉でのお誘いがあります。
相手は、大抵異業種交流会やイベントで「一〜二度会ったことがある」くらいの人。

当時、まだ仕事をスタートさせたばかりだった私も、「まあビジネスの話なら…」と気軽に会うことにしました。

そこで始まるのが、

  • 「フリーって収入に波がありますよね。収入安定したくないですか?」
  • 「最初から上手くいくやり方、知りたくないですか?」
  • 「紹介したいすごい人がいるんです。その人の話を聞くと仕事が上手くいったんです。」

という話題。

要は、「今、あなたは不安で心配でたまりませんよね。それを解消する方法がありますよ!」というもの。

特に仕事を始めたばかりの時期ですと、ほぼ100%の人が、多少なりとも不安や焦りを抱えています。
その不安や焦りによる「恐怖心」を狙って、勧誘をしてくるのです。

私は幸い、こういった勧誘には遭遇したものの、ビジネスとして関わることはありませんでした。
ですが、フリーランスをしている友人知人の話を聞くと「私もこの手の勧誘に誘われて、数時間拘束されました…」「お金を払ってしまい、後悔してます…」というお声が本当に多いです。

今回は、そんな勧誘に遭遇している独立初期のフリーランスの方向けに、記事を書きました。

市場経済で、法律を遵守して成り立っているビジネスモデルは否定しません。
勧誘商材のノウハウや人脈でビジネスが軌道にのる方も、実際にはいらっしゃるかもしれません。

ですが、もしこのビジネスの根源となっている「恐怖心」に振り回されているフリーランスの方が多いのなら、ぜひ知っていただきたい!と思い、自分の体験談を記事にまとめました。
よろしければ、ぜひご覧ください。


不安と焦りがいっぱいの独立初期

フリーランスになると、とにかく「仕事が来ないのでは」「計画が失敗しそう」「将来どうなるのか」などの、経済面の恐怖感でいっぱいです。

私も会社を辞めた頃は、床が抜けてしまったかのような強烈な不安感で、夜も眠れませんでした。
お金を使うのが怖くて怖くて、外に少しの間出ることにすら「お金を使ってしまうかも」という恐怖を感じていました。
友人と遊ぶときも「ご飯どこに行くんだろう、高いかなあ…」ということを、つい考えてしまうほどでした。

加えて、税金で口座にあったはずの貯金はみるみる減っていき、しまいには4桁になりました。
当時のATMで血の気が引いた体験は、今でも忘れられない思い出です。

今はおかげさまで、すっかり平気になりました。

でもそれは、決して「恐怖心がなくなったから」ではなく

  1. ずっと横に恐怖心がある状況に慣れたこと。
  2. 恐怖心がなくなることは、フリーランスにとって「最も怖いこと」だと実感したこと。
  3. 恐怖心を何度も乗り越えることで、自信が付いたこと。

という理由からです。


1.「あって当たり前」なのが恐怖心

1つ目は「恐怖心がない人なんていない」という当たり前の事実を学んだことです。

独立した頃は「こんなに怖いなんて、私は準備不足だったのでは?」「性格的に向いてなかったんじゃ…」と思っていました。
つい安定している(ように見える)周りの人と比べたり、SNSで流れてくる同業者の活躍情報に「この人だから上手くいくのかな…」という劣等感を持っていました。

ですが、実際にベテランのフリーランス先輩たちに昔の思い出を聞くと「最初は大変だったよ!」と口を揃えて仰っていました。

また起業に関する色々な書籍を読むと、実際の事業は失敗の連続で、みんな恐怖でブルブル震えながら戦ってきたという事実も知りました。

みんな最初から順風満帆じゃない。
どんなに今大活躍している人でも、やっぱり怖かったし、失敗だらけだった

この事実を知るだけで、恐怖心と共存できるようになりました。

「私だけなんだ!向いてなかったんだ!」「才能がないんだ、性格がダメなんだ!」と自分を責めることなく、「誰でもあるある」と客観的に捉えることができて、とても楽になりました。


2.フリーにとって恐怖心は活路を開き、安定は道を濁らせる

2つ目は、恐怖心が「ない」のは、フリーランスにおいて致命的だという事実に気づいたことです。

自分のことを振り返ると、大抵自分が必死に行動をする時は、追い込まれて「恐怖心」がある時でした。

例えば独立後、元勤め先からの定額のお仕事が無くなった時。
すっかりその収入に甘えていた当時の私は、「来月からどうしよう!」と真っ青になり、ガタガタ震えました。

そこで、「必死に」営業活動をしました。
なりふり構わず友人知人に宣伝してまわり、ポートフォリオを送り、Webサイトを改装し、ブログを書きました。

そのおかげで翌月から一気にお仕事が増え、会社員だった頃の年収を上回ることができました。

さらに、仕事がふっと途絶えてしまった時期。
必死にオリジナルのイラストや漫画を書き、再び営業活動をしました。

そのおかげで、翌年度の仕事は心配しなくていいほど、たくさんのご依頼をいただくことができました。

当時のあの「必死さ」が無ければ、あそこまで行動しなかったと思います。
「恐怖心」があるからこそ、私たちは死に物狂いで考え、行動するのです。

逆に定期的な収入があり「安定感」があると、私たちは心がとても楽になります。
そんな必死に考えなくても、行動しなくても、明日から生活できるという確信が持てるからです。

まさに「恐怖」はチャンス、「安定」はピンチです。


3.乗り越えてきたから「次も大丈夫!」

3つ目は、何度もこの恐怖心と戦ううちに「次も自分なら乗り越えられる!」という自信が付いたことです。

RPGはレベル1から始まって、徐々に戦う敵も自分もレベルアップをしていきますが、まさにこの流れと同じです。

  • 仕事が途絶えてしまった!→そういえば忙しくて営業できていない。仕事の合間に、コツコツやっていこう。
  • 今月、売り上げが少ない気がする…→年単位で見てみると、ちゃんと目標達成できてる。狭い視野で一喜一憂しないように気をつけよう。

など、「こういう時はこうする」という経験値を積み重ねることで、焦りや心配の感情が湧いてきても、冷静に対処できるようになりました。


自分以外の「何か」に委ねるのなら、それはもうフリーランスではない

私は会社員(副業)からフリーランスになりましたが、副業時代に無く、フリーランスの今あるものは「恐怖」です。

会社員だった頃は、仕事に失敗しても、毎月お給料が振り込まれました。
自分が考えなくても、上司たちが考えてくれました。
自分がお客様を集めなくても、会社のブランド力でお客様は来てくれました。
自分が信用を蓄積しなくても、会社の名前で信用していただけました。
自分で勉強しなくても、勉強する機会とお金が与えられました。

これらを全部自分自身で、責任を持ってやり続けなければならないのが、フリーランスです。

自分で考えず「失敗しない上手くいくやり方」に飛びついたり。
「聞けば的確な答えをくれる凄い人」に頼って、自分で決断しなかったり。

それはもう、フリーランスとはいえないと思うんです。

自分以外の「何か」に方針や決断や責任を委ねるのなら、会社員と同じじゃないですか。

自分の行動や判断で「損する」「失敗する」覚悟で、とにかく足掻く。
自分で人に会い、本を読み、体験し、考え、行動して、結果を出す。
失敗して、損して、信用を失って、人に嫌われて、周りに迷惑をかけて、それでももう一度やってみる。やり続ける。

それが唯一の活路だと思うのです。

もし独立したばかりで、「損しない」「失敗しない」甘言の勧誘に遭遇している方がいましたら、今一度自分は「損したくない」「失敗したくない」恐怖に負けてないか?
怖くて誰かに委ねようとしていないか?を、問い直して欲しいなと思います。