フリーランスになって1年!失敗して落ち込み、飛び上がって喜んだ毎日

フリーランスになって1年!失敗して落ち込み、飛び上がって喜んだ毎日

約1年前の7月1日、8年勤めた会社を退社し、フリーランスになりました。

何とかフリーランス生活を1年続けることができたのですが、本当に、本当に必死な1年間でした…。

このご時世「フリーランスってこんなに良いよ!」というキラキラした情報は山のようにありますが(笑)リアルなフリーランス1年目は、収入などの不安、わからないことだらけの毎日、失敗に次ぐ失敗などなど、大きな波がすごい勢いで押し寄せてきます。

「フリーランスって素晴らしい!」とニコニコしている余裕などなく、自作の浮き輪に捕まって、迫りくる波に飲まれないようにすることに必死でした。

今回はそんなリアルな内容を書きましたので、今後フリーランスを目指される方の参考になれば嬉しいです。


「何でも受ける!」失敗だらけの1年目

1年目は営業と実績の1年にすると決めていたので、お声がけいただいたお仕事は、イラスト以外も含めて、ほぼ全てやらせていただきました。
これまで会社員としてやってきたデザインはもちろん、講師、営業回り、売り場プロデュースなど、「やったことがない」という案件ばかりで、「わからないことがわからない!」という、新入社員時代に戻ったかのような状況でした。

そんな未経験の仕事も含めた1年間の仕事量は膨大で、それはもう失敗を山のようにした1年でした。

どんな失敗かといえば、

  • お客様からいただいた修正内容を間違えて対応し、そのまま印刷されてしまった。
  • 商品完成後、文字校正ミスが発覚。
  • 請求書を発行し忘れていた。
  • 打ち合わせ日程を間違えた。
  • モノクロのイラストデータを納品したら、実際はカラーのイラストだった。
  • 膨大なデータ処理作業が残っていることに気づかず、対応しきれなくなり、納期を延期していただいた。

ざっと書いただけでも、こんなにあります…。まだまだあります。
信用第一のフリーランスにとって致命的なものばかりですが、たくさんの人に助けていただいたおかげで、何とかここまで続けることができました。


失敗することで、やっと人を頼るようになる

失敗するたびに地の底まで落ち込みましたし、お客様の信用も失ってしまったのですが、失敗することは「完璧になれない自分と向き合う」ことと同義でした。

「ああ、自分一人では隅から隅まで完璧にはできないんだ」という、当たり前だけれど、自分では見たくない部分と正面から向き合うことになり、初めてここで「人を頼る」ということの大切さを学びました。

自分よりも得意な人に一部の仕事をお願いしたり、手伝ってもらったり、別の人に仕事を紹介することで、今後は対応していこうと反省しました。

いざ一人で全てをやってみると、会社員の頃にどれだけ周囲の人たちに助けてもらっていたのか、分業がどれほど有り難いものなのかを痛感します。
「フリーランスは一人だけど、一人じゃできない」「フリーランスこそ、仲間が必要」ということを、改めて感じました。


実力勝負のフリーランスだからこそ、苦手なことは「やらない」

そんな失敗から学んだことは、自分の「苦手なこと」は変えられない、ということです。

私はイラストはもちろん、企画やアイデアは大好きで得意なのですが

  • 文字校正
  • (人を乗せての)運転
  • 人にイラストを教えること etc…

このような仕事は、自分でも「本当〜に苦手」と自覚しています。
特に文字の間違い探し、チェックは長年改善しようとしていますが、一向にできません…(汗)

苦手なことは、「苦手だって言ってられない!克服しよう!」と頑張り、ノウハウ本を読んで試したり、得意な人に聞いたりしてきました。
ですが、こういった苦手な仕事は、自分が得意で大好きな仕事と比べると、努力しても上達しずらく、取りかかる時の気持ちの低下が著しかったのです。

そして自分の周りをみると、こういった仕事が大好きで、自分よりも速く的確に、素晴らしい仕事をする友人たちがたくさんいました。その友人たちの仕事を見て「そうか、何でも自分でやろうとしないで、仕事を回せばいいのか!」と思いました。

尊敬する思想家の内田樹先生の著書で

「本当の”自立”とは、何もかも自分で完璧にやることではない。自分の苦手なことを任せられる、信頼できる仲間がいることと、自分が得意なことで仲間に貢献すること。」

という言葉があるのですが、この1年はそれを痛感しました。

そこで、1年目の終わり頃から「これは、私よりも他の人がやった方が良い」と感じたことは、お断りしたり、別の方を紹介するようになりました。

このような不得意な仕事を引き受けて、良い仕事ができずお客様に満足していただけなかった場合、致命的なトラブルにもなりかねません。
特に独立したての時期は、自分の評価が下がるのが怖くて「苦手」となかなか認められないのですが、今後は冷静に判断していこうと思います。


試行錯誤の営業活動

そんな失敗の多い1年でしたが、自分のやってみた取り組みで効果を実感することもできました。
その1つが、営業活動です。

独立当初の収入減は、元勤め先と、元勤め先のお客様の仕事がほとんどでした。
ですが、そもそも仕事が一箇所に集中して依存してしまうのでは、会社員と同じです。

そこで、この1年で絶対に新しい仕事を開拓し、収入源を分散させるぞ!と決め、重点的に取り組みました。

これは、地元の創業スクールでも言われたことですが、独立1年目は「技術(スキル)を磨くこと」に注力しやすいそうです。
ですが、初年度の起業で最もやらなければならないことは「営業」。
自分たちのサービスを、より多くの人に知ってもらわなければ仕事はやってこないし、そもそもビジネスが成り立たないから、ことでした。

そんなアドバイスもあって実践した営業ですが、方法はこんな感じでした。

  • 企業に売り込み用のポートフォリオを郵送。(毎月10冊以上、毎月お送りする業種(広告、教材、医療など)を絞って、効果を分析する。)
  • 友人知人にSNS等で「こんな仕事やりました!」と発信。
  • 会社員時代の同僚に、企業を紹介していただく。

それからこの時期、ネットで片っ端から情報検索し、様々な業種の友人知人(編集者、中小企業診断士、経営者、会計士、弁理士、デザイナーなど)や、10年以上フリーランスをされている大先輩たちに「これからこういう方法で営業するのですが、何か良い方法があれば教えてください!」とお願いし、貴重なアドバイスをたくさんいただきました。

教えていただいたことは端から全て実践し、「これは、私だと効果が低いかな…」と感じたことは途中でやめ、手応えを感じたものには、重点的に注力しました。
会社員生活13年の中で営業経験は皆無でしたので、ひたすら試して観察することを繰り返しました。

実際にこの営業方法でいただくことができたご注文は、こんな内訳でした。

  • 友人知人からの紹介(4割)
  • 会社員時代からのお客様(4割)
  • ポートフォリオ(2割)
  • インターネット検索(稀)

ポートフォリオやインターネットでの営業よりは、自分の友人知人や、元勤め先の方たちの繋がりからいただく仕事が、圧倒的に多いです。

ですが1年経ってみると、ポートフォリオを見てお仕事をくださったお客様の割合が徐々に増えており、またその後のリピートのご注文も増えているので、2年目は割合が変わるのではと予想しています。


やりたい仕事がガンガンできた1年間

そんな失敗や試行錯誤でドタバタの1年でしたが、自分が「絶対やりたい!!!」と思っていた仕事もやらせていただくことができました。

まずは、大好きな文房具のお仕事。
株式会社be-on、文具プランナーのまきさんと一緒にやらせていただいたプロダクト「himekuri」のイラストです。

こちらは付せん日めくりカレンダーの商品ですが、イラスト総数730点を超える、物凄いボリュームの案件。
また、デザインが売り上げを大きく左右する大切なポイントでした。

「独立1年目に、こんな大役をいただけるなんて…!!!」と緊張とプレッシャーで手をブルブルさせましたが、be-onの木下社長や、随時アイデアをくださる敏腕編集者・福島槙子さんのおかげで、無事に納品することができました!

なんと、こちらの商品が2018年の日本文具大賞・機能賞を受賞!
明日から開催されるISOT(国際文具紙見本市)にて授賞式が行われるとのことで、今からワクワクしています。

そして、これまた大好きなフード・イラストのお仕事。
こちらは、多数のお客様からご注文をいただくことができました!
和菓子からラーメンまで、幅広いイラストを描かせていただきました。

特にラーメンを描くお仕事がしたかったので、先走って自主制作で静岡ラーメンマップも作ったところ、何とラーメン店のお仕事もいただくことができました!本当にありがたいご注文でした。

 

やりたい仕事をいただくためには、まずは自分がその仕事の「第一人者」になるため、毎日コツコツ情報を発信し続けることが大切ではないかと思いました。
私は文房具にしろ食べ物にしろ、年単位でしつこいほど「これが好きです!!!」と周囲に発信し続けてきたのですが、この仕事なら、この人」と真っ先に思い浮かべていただけるようになったことが強みになって、お声がけいただけたのではないかと思います。


2年目は「絞ること」と「拠点づくり」へ

2年目にやりたいことは、仕事を絞ることと、仕事場(拠点)の環境を整えることです。

1つ目は仕事を絞ること。
今はイラストをメインにデザイン等の様々な仕事をしているのですが、イラストの仕事に絞ります。

理由はいくつかあるのですが、まずは収入が確保できるようになったことが大きな理由です。
以前は「イラストだけではとても食べていけない!」という状況でしたが、1年経って食べていけるようになったことと、デザインはデザインがとことん好きで得意な方にお任せしようと決めました。

いずれプロフィール漫画でも描こうと思っていますが、私が会社員としてデザインの仕事をしてきたのは、「絵では生きていけない、デザインなら仕事にできる」という、学生時代の消極的な思い込みの影響からでした。

もちろんデザインは好きですし、長年の思い入れもあるのですが、イラストほど制作時に「フロー」にはなれませんし、心底デザインが好きで、日々上達してゆくデザイナーの友人知人をみていると、「この人たちがする仕事の方が、絶対良いものができる!」と思うのです。

また前述のように「自分の最も得意なこと」に時間をかけると、自分のスキル向上の速度やモチベーションは、桁違いになります。
人生の時間はもちろん、自分が働くことができる時間も限られていますので、あえて選択することも大切だと感じています。

2つ目は、仕事の拠点づくりです。
今は自宅で仕事をしていますが、家の外に仕事拠点を作る予定です。

家で仕事をしていると、特に繁忙期は自宅に引きこもりっぱなしになってしまい、鬱々としてくるわ、モチベーションが下がるわ、体がだるくなるわで、仕事の効率が悪くなる一方でした…。

以前はシェアオフィスを地元に借りていましたが、むしろ地元を出た場所で刺激を受けた方が、仕事の効率化にも繋がりそうだなと思い、場所を捜索中です。

今年中に候補地を…と思っていたのですが、1年目の鬼のような忙しさでほとんど家から動けなかったので、これは2年目の課題になりそうです。


最後に…

この1年、丸一日ゆっくり休んだ!という記憶がありません。
土日関係なく、朝から晩まで仕事をし、さらに前述したように、失敗も山のように経験した1年でした。
これだけ書くと「フリーランスって会社員よりも過酷じゃないか」と言われてしまいそうですが、まさにその通りだと思います。

今はキラキラしたフリーランスや起業イメージが強い時代ですが、行き先に不安や焦りを感じながら、地面を這って進まなければならないような毎日が、フリーランスにはあります。

時間も仕事も場所も、何もかもが自由ゆえに、どこまでも働けますし、どこまでも怠けられます。
自分ととことん向き合う「タフさ」が求められる働き方です。

独立して1年、自分がこんなに弱くて脆くてどうしようもない人間だと落ち込んだ1年はありませんでしたし(笑)「仕事って最高に楽しい!」と、こんなに毎日ワクワクしながら働いた1年もありませんでした。

過酷だからこそ、ものすごく苦しくて大変で、最高に楽しいのが、フリーランスの毎日だと思います。

やっとたどり着いた2年目ですが、これからも自分なりに試行錯誤しながら取り組んでいきたいと思います。